「新幹線雑感」

株式会社サンリック
専務取締役 橋 良一

  私は現在静岡県浜松市に在住しており、毎日、東海道新幹線で通勤しております。

 元々は、神奈川県の出身なのですが学卒で浜松の会社に入社し、そのまま居ついておりました。縁あって現在の株式会社サンリックに転職しましたが、個人的な事情もあり、当時から新幹線通勤をしております。

 当初は新幹線定期が浜松・東京駅間に設定されていず、やむを得ず浜松・静岡間と静岡・東京間の2枚買っておりました。おそらく、浜松からの通勤客が少なく需要が無かったのだろうと思います。2、3年しますと浜松・東京駅間が設定され、現在は1枚で済んでおります。確かに、毎朝会う同じ顔が当初より増えております。そして、静岡・新富士駅と通勤及び出張の方が多く乗り込んできてほぼ満席になります。新富士の駅に近くなると富士山が間近に観え季節により様々な表情をしています。特に寒い朝などは真っ白な頂上付近が大変美しいものです。

 通勤時間は自宅から会社まで当初3時間15分でしたが品川駅に停車するようになってからは30分短縮されました。朝は良いのですが帰りに「こだま」に乗ると2駅に1駅の割合で「のぞみ」を待ち合わせて5、6分停車があり3時間30分程度かかるため、浜松停車の「ひかり」の時間に合わせて乗り3時間程度の通勤時間にしています。金曜日の夕方特に連休前は単身赴任の方・出張帰りや旅行の方でホームがほとんど埋まってしまう大変な混雑で、めったに利用されない方はどこに並べば良いのか迷っておられます。

 新幹線の席数が号車により違うと気がついたのは、通勤を始めて一月ほどでした。私は喫煙をするので当時3号車か4号車に乗っていましたがトイレ・洗面所の関係から席数が3号車が17列85名、4号車が20列100名でした。ですから自由席に乗るときは偶数号車の方が座れる可能性が高いことになります。今、喫煙車が3号車のみになり、そこだけ大変混雑しています。世の中で禁煙派が多くなっておりますが確かに他の車両から喫煙車両に入ると、煙と匂いが相当なもので愕然とすることがあります。そのような中に小さなお子さんを連れて利用される喫煙派の方を時折見かけますが大丈夫かなと他人事ながら心配してしまいます。

 なにしろ1日のうち4時間ほどを新幹線の中で過ごしていることになり1日の6分の1、1年で約2ケ月、6年で約1年を過ごすということに気がついたときには、これは何かをしなければもったいないと思いましたが、生来勉強はあまり好きではないし、たまに見かけるパソコンを持込んでの仕事も気が進まず、周りを見てみますと、寝ている方が一番多く次に新聞を含む読書、帰りのことですがお酒を飲み続ける方など様々でした。新幹線の中でFMラジオで飛行機と同様音楽やニュースが聞けると知ったのもその頃でした。最近では携帯電話でメールをしている方が割と多くなりました。通話は5年ほど前までは車内で大声で平気にされている方もまま見受けましたが、最近はさすがに減ってきました。ただ、何人かで乗ってこられて沿線の会社の悪口・噂話などを大声でされている方がいますが、いかがなものかと思ってしまいます。又、携帯用のDVD機器で映画を鑑賞している方もたまに見かけます。自分はどうなのかと言いますと朝は寝不足を補うため、新聞を読み終えると静岡から新横浜まで寝ていることが多いのですが、帰りは東京で少しお酒を飲んで寝入ってしまい名古屋まで乗り過ごしたことが何度かあり、それからは、NHKで気になる番組があるとき以外はもっぱら軽い読書をしています。その間に読んだ本は約500冊くらいになり、妻に処分を強要されております。

 通勤を始めた当初は久々の東京のラッシユに驚き又会社に浜松の名物菓子を持っていったところ東京でも買えると知り、東京は何でもあるのだと驚いたことがあります。

 11年間の通勤での事件と言えば通路側に座っていて、途中から乗り込んできた3人連れがそばに立ち、持ち込んできた500mlのビール缶を棚に置いたところ置き方が中途半端だったのか発車と同時に落ちてきて私の額に缶の縁がまともに当り、額がぱっくり傷つきしばらく痛みにうずくまったことでした。幸い出血はたいしたことが無かったのですが、後で鏡をみると三日月形に傷があり驚きました。

 新幹線はご存知のように雨や雪に弱くたびたび遅れることがあり、一度は雨でひとつ手前の掛川駅に6時間ほど停車し、帰宅したのが4時半頃でそのまま着替えて、東京に行ったことがあります。その時掛川駅に停車して、2時間ほどはドアーを開けてもらえず缶詰状態でした。その後ドアーが開いたのですが、ホテルもタクシーも既に無いとのアナウンスがありがっかりした記憶があります。

 取り留めもなく新幹線通勤のことを綴ってきましたが、今後どれくらい通勤を続けるのか判りませんが今しばらくは続けることになりそうで、新幹線技術の進歩を見ていてやろうと思っているこの頃です。


 

以上