
パナソニック株式会社 ライティング社
企画グループ 主幹技師
堀田 幸男
私は、パナソニック株式会社ライティング社の堀田です。松下電器産業株式会社照明社はグローバルカンパニ−を目指して、本年の10月1日から、社名をパナソニックに変更いたしました。どうか、よろしくお願いいたします。
ライティング社は本年4月にITIA(国際タングステン工業会)に入会致しました。それは、いろんな意味において社会から国際貢献を求められ、それに応えていかなければ、という考えからです。その全体会議が日本の近くの中国アモイで9月22日から開催され、しかもHSE(安全衛生環境)会議も開かれると聞きましたので、ぜひ、その雰囲気を味わってみたくなりました。
私は全く初めてだったので、どの種の安全衛生環境会議(2〜3種の会議が開催)に参加すれば良いのか解りません。せっかく、参加するのであるから最初の会議に出席したくなりました。それで、私の行動予定を組んでしまいました。後で教えていただいたことですが最初の会議は、安全衛生環境会議の理事会で、ここで、方向性を決定し、その決定事項を後日、議長が纏めとして報告します。そこに会員は出席し発言するシステムです。
事務局長のMabyさんから後日に出席日を変更するよう求められましたが、中国での行動予定計画上、都合がつきません。ならばオブザーバーとしてなら、という条件で出席を認めていただきました。そして、会場のアモイシェラトンホテルに行きました。そのホテルは全体が黄金色の壁で造られており、その壮大さに驚きました。
私はネクタイを忘れ、礼を失するのではと焦っているときMabyさんとお会いいたしました。Mabyさんは、大柄T-シャツ、綿パン姿で現れ、長髪・ボサボサ頭に親しみを覚えると同時に、あまり格好をかまわない性格に驚きました。
さて、会場へ入りました。そこは25人程の椅子と机が用意され、パワーポイントを見て論議できる規模の部屋でした。会議準備をしていたARCADIS社(安全衛生環境調査・企画会社)のPardusさんから、ご挨拶をいただきました。そのご挨拶は情熱的で、「いかにタングステンの安全衛生環境活動は重要で大切なものか」という内容で、歓待され、嬉しくもありました。
会議内容は、2008年4〜9月のタングステン、タングステン合金、超硬タングステンに関する毒性文献調査、ミリタリーリサーチ、アメリカ保健省報告等、今後の予定というものです。会議は、報告ごとに論議があり、白熱したものでした。特に今後の進め方について、面白いことにヨーロッパ連合とアメリカ連合とで、少し進め方に温度差があるようでした。環境ISO
14001発生のヨーロッパ連合の方が少し厳しい考え方をしているような気がしました。
その中で、私はアメリカ保健省の報告に興味を持ちました。それは、タングステンには5つの酸化物が存在し、その中の特定の酸化物は繊維状で肺に入ると金属タングステンより溶けにくいのではと言うものです。勿論、その毒性の有無については明らかになっておりません。思い出しますと、タングステン棒材は、千数百度で加熱され、タングステン酸化物を撒き散らしながら、スウェ−ジング加工します。昔は仕事が終わると加工熱の暑さで汗を拭き拭き、鼻の中はタングステン金属・酸化物で真黒になるのが職長の誇りでもありました。
私はタングステンと出会って25年が過ぎます。タングステンは、高価で人体に優しく,その中間生成物であるタングステン酸ソーダはいまだに秘薬と信じております。今回の安全衛生環境会議への出席はタングステンの神秘的な輝きを少し曇らせたような気がしてなりません。